あなたはウマとヒツジとサルとトラを連れて旅をしています
どこかで見たようなパズルのような問題が、ネットで紹介されていた。
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あなたはウマとヒツジとサルとトラを連れて旅をしています。今、目の前に川があって渡らなければなりません。ですが、小さな舟が一艘しかないのです。この舟はあなたが漕がなければ動きませんが。あなたが乗ると動物は1頭しか乗れません。あなたは動物をどんな順番で渡しますか?
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こういう問題を出されたら、どんな風に答えるだろう?
通常はまず、ウマとヒツジとサルとトラの相互関係を考えると思う。そして与えれた条件から、勝手に一定のルールを想定して、論理的に河を渡す順番を考えるのではないだろうか。
「あなた」はこの4頭の動物をいっしょに連れているわけだが、この中で唯一トラのみがプレデター(捕食者)だ。だから、放っておけば他の動物を補食してしまう極めて危険な動物なわけで、一緒にひもや鎖につないで歩いていたりしたら、羊などは真っ先に襲われてしまうだろう。
だから、トラを檻に入れて、馬に牽かせた荷車に積んで運ぶのが一番安全と言うことになる。この場合はヒツジはひもにつないで引っ張ればよいことだし、サルもひもにつないで自由にさせておけばいい。
しかし、「あなた」は、船で1頭ずつ川を渡すというのだから、荷車などは無いと考えて良い。つまり、ひもにつないで連れて歩いているとしか考えられない。ということは、トラは非常に馴れていて、他の動物を襲わないと言う前提とも考えられるが、船には1頭しか乗せられず、岸に3頭残していかなければならないという条件が設定されている。これは、岸に残される動物の組み合わせによって、何かしら問題が起きるということを暗示しているに違いない。
そう考えて、「あなた」がいて見張っている場合や相手が2頭以上いる場合はトラは他の動物を襲わない、とか、ウマは1頭にすると走って逃げてしまうとか、サルはすばしこいのでトラには襲われないが、トラがいないと他の動物にちょっかいを出して逃がしてしまうとか、そういう条件を勝手に想定する。そうして、論理的にパズルを解くように考えを巡らすに違いない。
そうした場合の答えは、たとえば次のようになる。
トラをサル以外の動物と置き去りにすることはできない。だから、まずトラを向こう岸に渡して、一人で帰ってくる。
次にヒツジを渡して、帰りにトラを連れて戻ると、向こう岸にはヒツジが1頭、こちら岸にはトラとウマとサルになる。そこで、こちら岸にトラとサルを残して、ウマを船に乗せてわたる。サルはすばしこすぎてトラには襲われないからだ。そして一人でこちら岸に戻る。これで、向こう岸にヒツジとウマが、こちら岸にはサルとトラがいることになる。
こちら岸にもどった「あなた」はこんどはトラを乗せて向こう岸にわたる。向こう岸にはヒツジとウマの2頭がいるので、トラと一緒に置いておいても襲われることはない。
そこで、「あなた」は一人でこちら岸にもどってサルをのせて向こう岸に渡り、これで問題なく4頭を向こう岸に渡らせることができる。
というわけだ。
つまり、渡す順序は、トラ、ヒツジ、トラ、ウマ、トラ、サル、と言うことになる。
こういう類のパズルはあちこちでよく見かける、どうと言うこともないお子様向けの簡単なパズルだ。条件を満たすようにトラを何度か言ったり来たりさせるという発想ができるかどうかがポイントだろう。と言うようなことを考えながら、記事の続きを読み進んで、唖然というか、呆然としてしまった。
筆者は、「トラ→ウマ→ヒツジの順番。サルは肩の上に乗せておくか、背中にでもしがみつかせとく」と答えて、そこにいた全員が大爆笑となり大いにもりあがった、というのだ。
なんだ、これは? なにがおかしいのだ? なにがどうなって爆笑したり盛り上がったりしなければならんのだ?
そもそも、この答えは、パズルにまともに答えたことにも何にもなっていないじゃないか、とさらに読み進むと、この問題は心理分析をするための設問で、トラは自尊心、ウマは仕事、ヒツジは子ども、サルは恋人若しくは配偶者を表すのだそうだ。それで、大事にしている順に川を渡す、というとのこと。これで、その人の大事にしているものや性格、性向が分析できるというのだ。
なにをかいわんや。どこをどう押してどんな根拠があって、トラは自尊心、ウマは仕事、ヒツジは子ども、サルは恋人若しくは配偶者、なんて関係づけができるというのか。子供でもやらないような強引で安易な意味づけと、その分析の稚拙な内容に、あほらしさと脱力感を通り越して、腹が立ってきそうな気分になった。
記事を読んでいくと、この「心理分析テスト」は、ある研修会の息抜きとして出されたものだと言う。いったいどんな研修なのだろうか。このなんの意味もないこじつけのお遊びとも言えないような「心理分析テスト」に、研修参加者全員、何の疑問もなく乗っかって和気藹々と盛り上がり、うれしそうに話題にしている状況を想像して、薄ら寒くなってしまった。
この「心理分析テスト」で場がほぐれ、その後の研修の効果も倍増したと言うのだが、その場で、だれひとり、この根拠も理屈もへったくれもない「心理分析テスト」やらに、疑問やばかばかしさを感じる人間がいなかったのだろうか? もしいなかったとしたら、絶対に異常だ。
しかし、こういう雰囲気の場では、かえって論理的判断のできる人間、普通の神経の持ち主は浮いてしまうのかもしれないと思い当たった。群集心理、集団ヒステリーと同じような心理的現象なのだろう。そんな雰囲気に乗れる人間のタイプには、一定の傾向があるように思う。こういうタイプの人間を操る方策として、この稚拙で無意味な「心理分析テスト」のような道具立ては、非常に効果的なのかもしれない。
ただ気になるのは、彼らの思考回路や性向は、一般庶民大衆として十把一絡げに論じられているそれに近いのではないかということだ。量は力なりである。大勢をしめるこのタイプの群衆を思うようにコントロールするテクニックとして、このような意味も論理思考もない感覚的で稚拙なトリックが有用だというのは、なんだかとても危ない事実であるように思う。


心理テストにしっかり乗っかっちゃう一人です(^^;;;
ウマとヒツジとサルとトラ
対岸に行き着けばいいから、
馬に猿を背負わせて、うちと、トラが船にのり、
どこからか、廃材を見つけて、
いかだをつくり、
羊を乗せて渡るって、
NGでしょうーかー♪
だって、無いものは作る!
これが、私のポリシーですから(#´艸`)プププ
この場合、心理テスト的には、
どうなるんだろう!
そして、このテストを出した人は、
いったい、どう思うんだろう!!
投稿: くま | 2007年1月29日 (月) 19時07分
くまさん、
あっはは、その筏の話ね、それねー、そのうち書こうかと思っていた話題なんですよ。おたのしみに。
それにしても、心理テストって、いい加減だよねー(^^;;;
投稿: skt48 | 2007年1月29日 (月) 19時27分